Engineering Note

プログラミングなどの技術的なメモ

3.5 スレーブサーバ構築

dns-icon

 

前回まででマスターサーバ側の設定は完了しました。

今回はせっかくなのでスレーブサーバの構築についても学んでいきます。

スレーブサーバはUbuntu14.04を使用しますので、ディストリビューションの異なるCentOS7と比べると構成に若干違いがありますが、基本的な概念は変わりありません。

特にスレーブサーバを構築しない場合は、そのまま6. BIND 動作確認テストに進んでください。

 

BIND9のインストール

まず以下コマンドでBIND9のインストールをします。

なお、今回はテスト環境なのでchroot環境の構築は省略します。

 

 > apt-get install bind9
 > named -v
 BIND 9.9.5-3ubuntu0.18-Ubuntu (Extended Support Version)

 

インストールが完了すると、"/etc/bind"ディレクトリに以下のファイルが作成されます。

 

 > ls /etc/bind/
 bind.keys  db.127  db.empty  db.root     named.conf.default-zones      named.conf.local
 db.0       db.255  db.local  named.conf  named.conf.options  rndc.key        zones.rfc1918

 

スレーブサーバの場合、ゾーンファイル(レコード情報など)はマスターサーバから取得しますので、スレーブサーバ側では作成しません。

したがって、必要な情報を上記の”named.conf.local”ファイルに記述するだけとなります。

 

named.conf.localの設定

"named.conf.local"に以下のゾーンを追加します。

 

 zone "dns-book.com" IN {
     type slave;
     masters { 192.168.3.1; };
     file "slave/dns-book.com.zone";
 };

 

上記のfileに続く"slave/dns-book.com.zone"は、ゾーン転送要求を出した時に取得したzoneファイルを保存するディレクトリ及びファイル名を指定します。

こちらは"/var/cache/bind"ディレクトリに作成されるため、以下で事前にディレクトリの作成とパーミッション及び所有グループの設定もしておかなければいけません。

 

 > mkdir /var/cache/bind/slave
 > chmod 640 /var/cache/bind/slave
 > chown root:bind /var/cache/bind/slave

 

BINDの起動・停止・再起動

BINDの起動などについては、基本的には4. BINDの起動・停止・再起動での操作で問題ありませんが、指定するサービス名のところを"named"から"bind9"に変更しなければいけません。

 

named.conf.localの構文チェック

最後にnamed.confが正しく記述できているか構文チェックを行います。

 

 > /usr/sbin/named-checkconf /etc/bind/named.conf.local

 

特に何も返ってこなければ、正しく記述されています。

 

最後に

以上が、スレーブサーバの基本的な設定になります。

ゾーンファイルを作成しない分、意外と簡単に終わってしまいました。

次回はいよいよBINDの動作確認テスト を行います。

 

参考書籍

改訂新版 BIND9によるDNSサーバ構築 (エッセンシャルソフトウェアガイドブック)