Engineering Note

プログラミングなどの技術的なメモ

1.レコードについて

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今回はDNSを理解するうえで重要なレコードについて学んでいきます。

正直見慣れない用語が多く、最初は難しく感じますが、一つ一つ内容を確認していけば、それほど難しくはありません。

また、次回に続くコマンド(dig, nslookup)を実際に実行し、確認しながら行うと、より理解しやすいと思います。

 

Aレコード

書式:FQDN    TTL    IN    A    IPアドレス
Aレコードは、正引き用のレコードで、FQDNからIPアドレスを検索するために用いられます。

 

 例:www.google.com.         147     IN      A       216.58.199.228

 

AAAAレコード

書式:FQDN    TTL    IN    A    IPアドレス(IPv6)
AAAAレコードは、IPv6用の正引き用のレコードになります。

 

 例:www.google.com.         185     IN      AAAA    2404:6800:400a:806::2004

 

CNAMEレコード

書式:別名    TTL    CNAME    正規名
CNAMEレコードは「Canonical NAME」の略で、Aレコードで付けた別の名前をコンピュータにつけることができます。なお、正規名は原則としてAレコードで定義されたFQDNを用います。

 

 例:www.yahoo.co.jp.        887     IN      CNAME   edge12.g.yimg.jp.

 

上記では、"www.yahoo.co.jp"は"edge12.g.yimg.jp"の別名として付けられていることを意味しています。

 

NSレコード

書式:ゾーン名    TTL    IN    NS    DNSサーバのFQDN

NSレコードは「Name Server」の略で、ゾーンの権威を持つDNSサーバを指定するレコードになります。なお、CNAMEで定義されたFQDNIPアドレスを指定することはできません。

 

SOAレコード

書式:ゾーン名    TTL    IN    SOA    マスターサーバ

SOAレコードは「Start of Authority」の略で、ゾーンファイルの中に記述されるレコードであり、ゾーンのマスターサーバ名など、ゾーンの管理に必要な情報が記述されている。

 

MXレコード

書式:メールアドレス用ドメイン名    TTL    IN    MX    プリファレンス値    メールサーバのFQDN

MXレコードは「Mail eXchange」の略で、メールアドレスに利用するドメイン名を定義するレコードになります。また複数のメールサーバを運用する際は、プリファレンス値というものを設定することで、メールサーバの優先順位を付けることができ、プリファレンス値が小さいほど優先順位が高くなります。

 

 例:yahoo.co.jp.            607     IN      MX      10 mx3.mail.yahoo.co.jp.

 

PTRレコード

書式:逆引きドメイン    TTL    IN    PTR    FQDN

PTRレコードは、逆引き用のレコードになります。逆引きドメインについては、例えばIPアドレスが"192.168.1.1"の場合は"1.1.168.192.in-addr.arpa"と記載しなければなりません。

またIPV6の逆引きドメインは、"<IPV6アドレス>.ip6.arpa."と記載します。

 

以上が、レコードの基本的な内容になります。

次回では実際にDNSサーバを構築していき、上記のレコードを設定ファイルに記載していきます。

 

参考書籍

改訂新版 BIND9によるDNSサーバ構築 (エッセンシャルソフトウェアガイドブック)

3分間DNS基礎講座