今回はDNSを理解するうえで重要なレコードについて学んでいきます。
正直見慣れない用語が多く、最初は難しく感じますが、一つ一つ内容を確認していけば、それほど難しくはありません。
また、次回に続くコマンド(dig, nslookup)を実際に実行し、確認しながら行うと、より理解しやすいと思います。
Aレコード
書式:FQDN TTL IN A IPアドレス
Aレコードは、正引き用のレコードで、FQDNからIPアドレスを検索するために用いられます。
例:www.google.com. 147 IN A 216.58.199.228
AAAAレコード
書式:FQDN TTL IN A IPアドレス(IPv6)
AAAAレコードは、IPv6用の正引き用のレコードになります。
例:www.google.com. 185 IN AAAA 2404:6800:400a:806::2004
CNAMEレコード
書式:別名 TTL CNAME 正規名
CNAMEレコードは「Canonical NAME」の略で、Aレコードで付けた別の名前をコンピュータにつけることができます。なお、正規名は原則としてAレコードで定義されたFQDNを用います。
例:www.yahoo.co.jp. 887 IN CNAME edge12.g.yimg.jp.
上記では、"www.yahoo.co.jp"は"edge12.g.yimg.jp"の別名として付けられていることを意味しています。
NSレコード
NSレコードは「Name Server」の略で、ゾーンの権威を持つDNSサーバを指定するレコードになります。なお、CNAMEで定義されたFQDNやIPアドレスを指定することはできません。
SOAレコード
SOAレコードは「Start of Authority」の略で、ゾーンファイルの中に記述されるレコードであり、ゾーンのマスターサーバ名など、ゾーンの管理に必要な情報が記述されている。
MXレコード
書式:メールアドレス用ドメイン名 TTL IN MX プリファレンス値 メールサーバのFQDN
MXレコードは「Mail eXchange」の略で、メールアドレスに利用するドメイン名を定義するレコードになります。また複数のメールサーバを運用する際は、プリファレンス値というものを設定することで、メールサーバの優先順位を付けることができ、プリファレンス値が小さいほど優先順位が高くなります。
例:yahoo.co.jp. 607 IN MX 10 mx3.mail.yahoo.co.jp.
PTRレコード
PTRレコードは、逆引き用のレコードになります。逆引きドメインについては、例えばIPアドレスが"192.168.1.1"の場合は"1.1.168.192.in-addr.arpa"と記載しなければなりません。
またIPV6の逆引きドメインは、"<IPV6アドレス>.ip6.arpa."と記載します。
以上が、レコードの基本的な内容になります。
次回では実際にDNSサーバを構築していき、上記のレコードを設定ファイルに記載していきます。